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十五で人生悟るのもどうかとは思ってみるものの
どうしたってこの決意は変わりそうにない。
どうやらあたしは自分の中である種の決着をつけたようだ。
乙女の目覚め
「決めたわ。あたし、結婚しない。」
「はぁ?」
空があたしの心と同じく燃えるような赤に染まる時分の教室で
右手を高らかに上げ息巻くあたしの前で、忍足が変な声を上げた。
あら忍足さん、その顔すごく間抜けよ。
あなたのファンが見たらショックで三日は学校に来れなくなるわ。
そうしたら学級閉鎖が起こるかしら。ちょっとラッキー。
「自分何ゆーてんの。まだ十五やん。」
「うん、でも決めたの。」
「何があったん。話してみぃ。酷い男に騙されたんか?」
「バカ言わないで。十五で騙される女がいるもんか。」
あぁでも跡部と付き合った子とかはそうと言えるかも知んないなぁ。
若いのにそんなに苦労して可哀想にね。
トラウマで恋愛恐怖症とかになったら跡部を訴えてやるといいわ。
がっぽり慰謝料ふんだくって、あのお坊ちゃまをヒイヒイ言わせておやりなさい。
あ、でも勝訴するかどうかわかんないから、あらかじめみのさんに相談した方がいいかもなぁ。
敗訴して自分がヒイヒイ言ってたら目も当てられない。
なんてこと考えてたら、あたしの目の前では忍足が真面目な顔して心配してくれてた。
「じゃあどうしたんよ。言うてみ。」
「何かもう恋愛、いらないかなーって思って。あたしの人生に。」
「はぁ?」
「別に彼氏がいなくても死ぬわけじゃなし。みんなと一緒に彼氏欲しいねーって言うのにも疲れてきたって言うか。」
「せやかて結論出すんは早すぎやろ。」
「そう?善は急げっていうじゃない。」
「(善なのか!?)」
「それにこの間の休みにと約束したの。将来はグループホームで一緒に暮らそうって。」
「って誰や?」
「二つ年下の従妹。」
「アホか…」
忍足がぐったりと机に突っ伏した。
フン、あたしとの仲を羨むか若人よ。
君にはこの境地が解らないんだろうね?気の毒に。
いつまでも女の子を追いかけて(イヤ、忍足の場合は追いかけられて?)生きて行くがいいさ。
そもそも結婚だけが全てじゃないじゃない?
今まで未婚の女の先生に、行き遅れかよ〜って冷やかしたりからかったりしてたけど、よくよく考えれば余計なお世話だ。
今の世の中、女の人もガンガン社会進出してくわけだし
結婚しなくったって自立して仕事して生きていく女の人は結構カッコイイじゃないか。
我は我が道を行く!男性上位の考え方は古いのだ!
あぁ実夏ちゃん先生ごめんね。結婚できないんじゃなくてしない主義だったのかもしれないのよね。
もう明日からは誰にも実夏ちゃん先生をからかわせないわ。
是非あたしと一緒に女性の自立について語りましょう。
「ねぇねぇ、実夏ちゃん先生も、誘ったらグループホーム来るかな。」
「来るわけないやろ。実夏ちゃんは結婚願望高いんやで。」
「あ、そうなの?知らなかった。」
前言撤回。
実夏ちゃんは同志になるには志が足りなかった模様。
「まぁ良いわ。あたしはと幸せになります。」
「ありえへん。」
「何か文句でも?」
「大ありや。あんなぁ…お前の幸せで皺寄せが来るところもあるんやで。」
「どういう意味?」
「ここに不幸になる男も居るっちゅうことや。」
「あ、もしかして忍足もグループホーム混ぜて欲しいの?」
「アホ…」
むかっ。
関東人にアホとは何よ。親切心で聞いてやったのに。
だいたいアホって言ったヤツがアホなんだ。
次にアホって言ったらバカって返してやる。
あ、バカって言った人もバカだった。
「あー、なんで俺こないなアホ子ちゃん好きんなってしまったんやろ…」
結婚しないって決めたのに
あたしの人生、もう恋愛いらないと思ってたのに
………………
……………………
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このどうしようもなく緩んでくる頬はどういうことでしょう。
「自分めっちゃオモロイ顔してるで。」
「うわ…どうしよう。ちょっと嬉しいのかも知んない。」
にやけてくる頬を押さえて席を離れて窓際に立つ。
燃え上がる太陽が西の空に顔を隠して、もう空は夜の足音が聞こえる。
でも太陽の余韻は長々と後を引いて西の空はピンクとオレンジと赤とがいっぱいに混ざったように輝いてる。
その光が薄くたなびいた雲をほんのり染めている。
あの色こそ恋の色と呼ぶに相応しい。
その恋の色にあたしの心も染められてしまったのでしょうか。
「ねぇ忍足、あたしすごい今ドキドキしてるんだけどどういうことかな。」
「そんなん俺に聞かんといて。マジ俺も今いっぱいいっぱいなんやし。」
「…あたし忍足のこと好きなのかも知れない。」
「気づくの遅すぎや。もうどうしようかと思ったで。」
十五で人生悟るのもどうかと思ってみるものの
人間やっぱり愛がないと生きていけない。
ときめく心が人生の活力になることはどうやら確定事項のようなので
グループホームはとりあえず無期延期にしよう。
…end
【反省と言うよりむしろ言い訳】
ドリーム小説を読み漁っていて、ふいに思い出したときめきをそのまんま小説に書き留める。
人生観が変わるキッカケなんて案外こんなもんじゃないのかな、と。
しかし思いつきで一発書きする癖をやめてください葉月さん。
でももうスランプなんですよぅ;
書いても書いても気に入らない。というわけでリハビリ作品。
今気づいたら名前変換がナッシング;;
2004.01.27
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