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バファリンの半分は優しさで出来ている。
千石の半分は煩悩で出来ている。(本人談)
じゃああなたの半分は何で出来ているのですか。
And the other is ?
「うぅ…頭いたーい。」
「マジ大丈夫か、。あ、くすり飲んだ?」
「飲んでない。」
「飲んどけよ。ホントは何か食べた方が良いんだけどな。」
食欲ないよなって笑って、薬箱の中を覗き込む。
そんな姿を見ながらあたしは布団にもぐりこんだ。
ホントは薬も飲みたい気分じゃないけど、せっかくの南の好意をまるっきりムダに出来るほどあたしも人間捨てちゃいない。
大体南は人が良すぎるんだよ。
部活終わって疲れてるだろうに具合の悪いあたしをわざわざ家まで送ってくれて。
家族はみんな仕事でいないと知ると、遠慮しつつもわざわざこうして介抱してくれる。
あたしと南を繋ぐものは同じ教室で勉強してるっていうただそれだけ。
千石だったらこのまま襲われてるし、亜久津だったら放置されてる。
無償で介抱してくれるあなたって一体何者なのかしら。
「ってもう誕生日来てる?」
「ううん、まだ。来月。」
「そっか、じゃあ1錠な。」
きちんと箱の注意書きどおりに年齢制限守ってる南が可愛らしい。
たかが一ヶ月で劇的な変化が起こるわけじゃなし、いっそたくさん飲んだ方が効き目がありそうなのに
差し出されたバファリンは、15歳未満向けに1錠。
コップいっぱいの水が南の手の中で揺れた。
「バファリンの半分て優しさで出来てるんだってね。」
のっそり起き上がって錠剤と水を受け取りながら、何の気なしに言ってみる。
生理痛でもお世話になる薬。あたしたち女の子にはまさに常備薬なわけなんだけど
半分が優しさじゃあ効かないわけだってがぼやいていたのを思い出した。
ちょっと南と似てるなんて思ったりしたら悪いかな。
「優しさっていうか、胃に優しい成分で出来てるんだろ。(CMで言ってたよな、そんなこと)」
「もう半分は何で出来てるんだろうね。」
「…え?」
特に意味があって言ったわけじゃないのに、考えたことなかった、と南が顎に手を当てて考え込んだ。
あれじゃない、これじゃないとブツブツ言っている。
南のこういう真面目な所が結構あたしは好きだったりする。
人生真面目に向き合いすぎて胃に穴があかないか心配なくらい。
「…南は?」
「んー?」
「南の半分は何で出来てるの?」
あたしを無償で助けてくれたあなたは、あたしとはどこが違うの?
ふと、南の動きが止まる。
こっちを向く動きがスローモーションのように見えて
いつもボールを追いかける真摯な瞳があたしを映して
その瞳に見つめられて
あたしも動きを止めた。
「」
「が好きだって気持ち。」
そういった南の顔が耳まで赤く染まっていたのは沈みかけた夕陽のせいだけじゃない。
あたしは俯いて顔を上げられなくなってしまった。
だってきっとあたしの顔も同じ色してるから。
手のひらのバファリンが目に映る。
……ああ、そうか。そうなんだ。
「南、あたしわかったよ。」
「バファリンのもう半分は愛しさで出来てるんだ。」
「え?」
そう言いきって手のひらで溶けかけのバファリンを口に放り込んで一気に水で流し込んだ。
コップの水も全部全部飲んで、全部からっぽになって
胃の中で優しさと愛しさが溶け合って、胸までその思いを押し上げるように
今あたしの中は南でいっぱいになっちゃったんだよ。
「南の気持ち、全部頂きました。」
…end
【反省と言うよりむしろ言い訳】
あはは!何だこれは!
もうダメですね、好きの気持ちが先行しすぎ!
ミスターバファリン!南ー!大好きだ!!
ちなみにある人曰く、バファリンのもう半分は切なさで出来ているらしい(笑)。
2004.02.01
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