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私が生まれてきたことに
君が生まれてきたことに
世界で一番感謝する日。
Because you are here -July-
キーンコーンカーンコーン
「解答やめ。筆記用具を置いて後ろから集めて。」
ザワザワ
テスト終了後の教室はそれまでと一転してにぎやかになる。
答えを確認しあう声、落胆、喜び。
皆の騒ぎ声が響く中、先生は黙々と集められたテストを確認していく。
試験監督の先生と入れ違いに担任が入ってくる。
担任がHRをする間もざわめきはおさまらない
無理もないよね。
前期期末テストの最終日。
明日からもう夏休みのようなものだもん。
はしゃぐなって言う方がどうかしてる。
まぁ、私たち3年にはしゃいでる余裕があるかは微妙なところだけど。
「ー!どうだった?」
HR終了後、親友のがあたしのところへ駆け寄ってくる。
「へっへー、バッチリよん♪昨日手塚にみっちり教えてもらったもんね。」
「あー、仲のよろしいことで。」
「あたしが半分ムリヤリ頼み込んだんだけどね。」
「頭もイイ彼氏なんて得よね、まったく。あっ、そうだ
、。ハイ、コレ!」
がかばんをゴソゴソやって、リボンのかかった包みを取り出した。
「誕生日、今日だよね?オメデトウ!」
「わあ!覚えててくれたの?」
「当たり前でしょ?」
「ありがとう〜!」
「どういたしまして。ねっ、開けてみてよ。」
「うん!」
あたしはシュルッ、リボンをほどく。
えーん、ホント嬉しいよー!
中学入ってからずっと誕生日が前期末テスト期間にぶちあたって、毎年寂しかったんだもん。
みんなテストで忙しくってあたしの誕生日どころじゃないし。
あー、でもやはり持つべきものは親友ね!
そんなことを思いながら包装を外していくと、出てきたのはキレイな空色のマニキュア。
「うっわー!キレイな色!!」
「夏っぽく、涼しげな色を選んでみました。」
「ありがと〜vv」
「どういたしまして。ホントはこのあと一緒にケーキでもって言いたいトコロだけど、どうせ今日は手塚くんとデートなんでしょ?」
「まっさか。そんな約束してないし、手塚はこれから部活のハズだよ。」
「ええー!?テスト明けなのに!?」
「テスト明けだから、だよ。2週間近くテニス出来てないから。」
「だからって何も彼女のバースディまでテニスしなくったって良いのにねぇ?」
「あたしの誕生日ごときじゃ手塚は休んでくれないよ。テニスバカだし。だいたいあたしの誕生日だって覚えてるかどうか。」
「けっこー冷静ねー、は。」
「もともとイベントにあんま興味持ってくれないんだもん、手塚。つきあい始めの頃は寂しかったけど、もう慣れちゃった。」
「つきあって半年イベントなし?カワイソー、。よし、じゃあ今日はあたしが一日彼氏よ!一緒にいっぱい遊んであげよう!」
「ホントー!?」
「……悪いが遠慮してもらえるか?。を借りたいんだが。」
話に夢中になっていたあたしたちの背後から、不意に声がかかった。
「手塚!?」
「HRは終わったんだろう?。ちょっと来てくれ。」
「来てくれってどこへ?ちょっと…手塚!?」
「いいから。」
「ええー!?〜!!」
ワケもわからないまま、あたしは手塚に引っぱられて教室を後にした。
「…待って手塚。歩くの速い…!いったいどこまで行くのよぅ…」
あたしが引きずられたまま、何度目かの不平を口にしたトコロで、手塚は足を止めた。
ココは…
…テニス部室の…裏?
「すまない。急がせて。」
「どしたのよ…イキナリ?」
「こうでもしないと、2人だけになんてなれないと思ったのでな…。」
そう言うと、手塚は改まったようにあたしに向き直る。
どういう意味だと聞こうとして開きかけたあたしの唇は、手塚のそれでふさがれた。
ええ…っ!?
待って、今何が起きてるの!?
あまりにも突然の出来事に、あたしは目を見開いたまま硬直してしまった。
それもそのはず。
つきあってこのかた、手塚からキスしてきたことなんて無かったのだから。
いつもあたしが冗談の延長からキスをして。
手塚が真っ赤になってギャーギャー騒ぐのを楽しんでいたわけだし(それもどうかと思うけど)。
とにかくこんなコトは初めてだった。
手塚の唇が離れたあとも、あたしはバカみたいにボーっと突っ立ったまま、動けなかった。
「…明日は台風が来るのかしら…?」
「何を言っているんだ?。」
「いやいや、こっちのこと」
やっとのことで口をきいたあたしの第一声に、手塚が怪訝そうな顔を向ける。
ワケがわからないのはこっちなんですけど。
「。」
「はっはいっ!?」
「俺は確かにテニスバカかも知れないが…」
「…聞いてたの…?」
「まあ…な。」
「別に悪口言ってたワケじゃな…」
「いいから黙って聞け。」
「ハイ…」
「俺は…」
そこで手塚が少し言いにくそうにあたしから視線を逸らす。
が、次の瞬間しっかりとあたしの瞳を捕らえて言った。
「俺は俺なりに、お前のことをちゃんと考えてるつもりだ。」
「え…?」
「誕生日だって忘れていない。」
そう言って、手塚はかばんの中から小さな包みを取り出してあたしに差し出した。
「コレってもしかして…あたしに…?」
「いらないのか?」
「いる!いる!いります!!」
まさか手塚がプレゼントを用意してくれていると思ってなかったからビックリした。
あたしはそれを受け取ると、そっと包装を解いた。
「わぁ…」
中から出てきたのは綺麗なガラスの風鈴だった。
小さいけれど、すごく精巧に作ってあって品がいい。
少し揺らしてみるとチリリンと可愛い音色をたてた。
「すごく可愛い…。ありがとう、手塚!」
「気に入ってくれたか。」
「うん、すごく気に入った!めちゃくちゃ嬉しいよ」
「そうか。」
手塚が少し照れたように微笑む。
それがあまりにも自然な笑顔だったから、なんだかあたしまで照れてしまった。
手塚から視線を外して、手の中の風鈴を鳴らしてみる。
チリリン…
そんなあたしの手をとって、手塚が顔を寄せてくる。
ドキドキしながらも、今度は目を閉じることが出来た。
さっきはパニクってて全然わからなかった手塚のキス。
優しくて甘くて溶けそうだった。
「…」
抱きしめられて耳元で囁かれる手塚の声に、気が遠くなりそうだった。
初めて呼ばれた自分の名は、まるで異国の調べのように甘くゆるゆると身に沁みる。
「、好きだ…。お前が生まれてきたことに感謝している…。」
「手塚…」
手塚の囁きに、もう一度あたしは目を閉じた。
「手塚ー?もう来てるのかい?」
ごっちーん!
突然の声に驚いたあたしたちは、勢いよくおでこをぶつけてしまった。
「つっ…」
「あだだだだ…」
「いっ今の声は不二・・・か?」
「かっかなぁ。そっ、そろそろ練習が始まるんじゃない?」
「そうか…もうそんな時間か。」
「ホラ行って。みんな待たせちゃ悪いし。あたし見てるからさ。一緒に帰ろうよ。」
「そうだな。ああ、」
「え?」
「誕生日おめでとう」
あたしたちはもう一度小さくキスをした。
…end
【反省と言うよりむしろ言い訳】
無謀なチャレンジ・シリーズモノ!
コレって一度書き出したらもう後戻りできないんですよね…(笑)。
でもやってみたかった!憧れのキャラに祝われる誕生日!
20日以降が誕生日の方にはちょっとアイタタタな状況でスミマセン;
出来るだけ季節感を絡めて書きたかったもので;
もし何でしたら、次回8月ver.を7月気分で読んでください(笑)。
7月生まれの皆様、お誕生日おめでとうございますvv
2003.06.30
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